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じゅうねんごのラジオかい
十年後のラジオ界
海野 十三
「新青年」1929(昭和4)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,890 字 · 4 页
」
「じゃ不審の点を質問するがネ。何故この世とあの世とがラジオで連絡ができるのだい。」
「早い話が『人間は死すとも霊魂は不滅である』という。これが今から十年経たないうちに物理的に証明されるのだ。霊魂はラジオ、即ち電波を発射する。霊魂がラジオを出すんじゃないか、とは今日でもある一部の学者が考えている。しかし電波ならば其の一番大切な性質であるところの波長が何メートルだか判っていないのだ。これが今から十年以内に発見される。電波長が判ればあとはラジオとして物理的に取り扱えるようになる。」
「フーン、そんなものかな。――それから、冥土に居るC子の姿が何故娑婆から見えるのだい。」
「それは無線遠視――つまり、『眼で見るラジオ』というのが完成して実用されるからだ。無線遠視は冥土に於いては夙に発達している。地獄の絵を見ると、お閻魔さまの前に大きな鏡がある。赤鬼青鬼にひったてられて亡者がこの鏡の前に立つと、亡者生前の罪悪が一遍の映画となって映り出す。この大魔鏡こそは航時機を併用して居る無線遠視器である。」
「脅すぜAさん。じゃ矢張りお閻魔さまの前に並んでいる『見る眼』や『嗅ぐ鼻』