轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちよこ

千世子

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第二十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年11月25日

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 83,104 字 · 164 页

青空文庫

フッとおそわれた様に指先がふるえるとわけのわからない丸いものが頭の中をころがり出した。

「今夜はHさん、貴方が大変すきですの、どうしてか知らないけれ共――でももうねましょう、これよりおきてると私はあした目がくぼんでしまいますもの……」

「それじゃねましょう、阿母さんを起してやさしくして御あげなさいよ、サ」

千世子はいい気持そうにして居る母親をおこして寝室につれて行った。そして又もどって、

「瓦斯を消して私達も寝ましょう、貴方のお部屋にはローソクがついてます、私これから髪を解きますからどうぞお先へ――」

「エ、今日は私があなたを興奮させたんでしょうネ、キット、かんべんして下さるでしょう、ネエ」

「エエそんな事おっしゃるまでもない事ってすわ、あなたあしたおひま? ここで又製図なさる?」

「ここでやります、エエ、もうそうひまもないんです――しますから――」

二人は燭台をともして、千世子はうす明るい灯のわきでまっしろく光る櫛で髪をといた。ときあげた髪をうしろにさげてふりかえった時Hはいつもするねしなのお祈りをして居た。お祈りのすむのをまって千世子は、

「おやすみなさい、おそくまでお気の毒さまでしたワ」