轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まんじ

卍

谷崎 潤一郎

「改造」改造社、1928(昭和3)年3月~1929(昭和4)年4月、6月~10月、12月~1930(昭和5)年1月、4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 133,618 字 · 258 页

青空文庫

光子さんが急用やいやはるさかい」とたったそれだけいうて、二階い上って大急ぎで箪笥の中から揃いの着物や何やかんやと、夫が余所行きの時着る絹セルの単衣と羽織と絞りの三尺とを出して、風呂敷に包んで、それ女子衆に持たして先いそッと玄関まで出さしましたが、「なんやいな今時分からそんな包持って?」と、さすがに夫は気になったらしゅう、自動車い乗ろとする時に奥から出て来ていうのんでした。多分私の様子が慌ててもいましたし、顔色も変ってたですやろし、不断着のまま髪も直さんと出て行ことするのんが、よっぽどけったいやったのんに違いないのんで、「なんやうちにもさっぱり様子分れへんねんけど、今夜急にこの揃いの着物なあ、――」と、私は知って風呂敷の結び目から着物の端出して見せて、「――これどないしても着んならんことが出来たんで、大阪の店まで届けてほしいうてやんねえ。何ぞ素人芝居でも始まったんかも分れへんけど、うち自動車待たしといて直ぐ帰って来るわ」いうて、もう時刻もおそなってしもてまして、九時二十五分ごろでしたよって、最初は真っ直ぐ南の井筒いう家い行こ思て出たのんですが、それよりもまあ梅田い行てお梅どん掴まいて見よ、お梅どんに聞いたら何ぞこの訳分るかも知れへん思て、梅田の駅い行て見ますと、まん中の入り口のところに立って待ちどしそうに