轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

「少女倶楽部」1927(昭和2)年4月~10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 55,869 字 · 112 页

青空文庫

16

「売りは売ったが金を返し、買い戻そうと申すのだ、何が不足で返さぬと云うぞ! 返辞によっては用捨せぬ! 懲しめるぞよ、どうだどうだ!」

こう云ったが右近丸は感付いた。「ははあ儲けが欲しいのだな」そこで今度は穏しく、「成程なるほど考えて見れば、お前は商人古道具買、せっかく手に入れた品物を、元価で返しては商売になるまい。よろしいよろしい増金をしよう。青差一本余分につける。これでよかろう、さあさあ返せ」

だが香具師の猪右衛門は相手にしようとはしなかった。

「駄目だアーッ」と再び呶鳴ったが、思量なくベラベラ喋苦り出した。「これお侍に娘っ子、聞け聞け聞け、聞くがいい、奈良朝時代の貴女人形、返しゃアしねえよ、返すものか! 青差一本は愚かのこと、黄金幾枚つけようと、返すものかア、返すものかア! オイ!」と云うとヒョイと進み、白歯を剥いて笑ったが、それから尚も云い続けた。「と云うのは他でもねえ、この人形の胎内に、大事な秘密があるからよ。唐寺の謎! 唐寺の謎!」

「おっ!」と叫んだは右近丸である。「ううむ、汝どうしてそれを?」

「知っているのが不思議かな!」猪右衛門はいよいよ嘲笑的に、憎々しく首を突き出したが、「まず云うまいよ、明かすまいよ。