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あいえんきえん

合縁奇縁

佐々木 邦

「キング」大日本雄辯會講談社、1950(昭和25)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,349 字 · 23 页

青空文庫

第二の失敗

「当り前さ」

「足許の明るい中にと思って、早速逃げて来た」

「態を見ろ。ハッハヽヽ」

「坊主が女給にお説法をされるようじゃお話にならないな」

と尾崎君が歎息した。

「元来が正覚君の発起さ。頓狂者だから、事を共にすると、飛んでもないことになる」

「そんな風で随明寺が継げるだろうかな?」

「利巧だから、何とか誤魔化しをつけるだろう」

「いや、僕にしても檀家だから、結局その正覚君に引導を渡して貰うことになる」

「成程ね」

「そんな頓狂者なら、地獄極楽を間違えないとも限らない」

「これは痛快だ。ハッハヽヽ」

「比翼連理じゃ浮べないよ」

尾崎君は陰気な冗談を好む男だった。その晩はこれが切っかけになって妙に死ぬ話が続いた。

第二の失敗

水鳥会が一年続いた。黒須君は肋膜炎を患って、長らく欠勤を続けた後、退職した。死ぬのではないかと思ったが、好い塩梅に容態が好転した。しかし再び働けるまでには容易のことでない。尾崎君と僕は時々見舞いに行って元気をつけてやった。

自然、僕は尾崎君を訪れて、差向いで話すことが多かった。お母さんも妹の町子さんも僕を歓迎してくれる。町子さんはいつしか女学校の五年生になって、見違える程器量を上げた。