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よしだしょういん

吉田松陰

徳富 蘇峰

「国民之友」1892(明治25)年5月~9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 135,622 字 · 269 页

青空文庫

「感は知己に在り」の一句これを説明して余りあるべし。

彼は造化児の手に成りたる精神的爆裂弾なり。一たび物に触着すれば、轟然として火星を飛ばす。この時においては物もまた砕け、彼もまた砕く。彼の全体は燃質にして組織せられたり、火気に接すれば乍ち※(「火+稻のつくり」、第4水準2-79-88)となる、その※(「火+稻のつくり」、第4水準2-79-88)となるや鉄も鎔すなり、金も鎔すなり、石も鎔すなり、瓦も鎔すなり。彼の人に接するや全心を挙げて接す、彼の人を愛するや全力を挙げて愛す。彼は往々インスピレーションのために、精神的高潮に上る。而してこれを以て他に接し、他を導いてこの高潮に達せしむ。知るべし、彼が教育の道多子なし、ただ己が其骨頭、大本領をべて、以てこれを他に及ぼすのみなるを。彼れ「松下村塾の記」を作りて曰く、

そもそも人の最も重んずる所のものは、君臣の義なり。国の最も大なりとする所のものは、華夷の弁なり。今、天下は如何なる時ぞや。君臣の義、講ぜざること六百余年、近時に至りて華夷の弁を并せて、またこれを失う。然り而うして天下の人、まさに安然として計を得たりと為す。