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ごじんのぶんめいうんどう

吾人の文明運動

大隈 重信

「東京神田青年会館で開催された大日本文明協会の講演会における講演」1915(大正4)年10月24日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,061 字 · 13 页

青空文庫

学ぶには日本と欧羅巴と言葉が違うから、欧羅巴の言葉を学ばなければならぬ。ところが多数の国民が皆外国の語を学ぶことは出来ないのである。ここに文明協会が現代の新しい知識を、必要なる書籍を選択して翻訳するという必要が起ったのである(拍手喝采)。なるべく知識を全国に広げるというのが文明的運動の基礎を組立てるに必要で、何としても学ばなければならぬ。知識的競争、即ち学術的競争である。

今日独逸が世界の強大なる国を敵としてなお一年有余戦っているところの力は、独逸文化の力、学問の力である。独逸人が腕力の強い訳ではない。独逸人の強は少しも露西亜人の強に優れたものはない。「アングロ・サクソン」に優れたものはない。羅甸を代表する仏蘭西人は、身体は小さいか知らぬが機敏で力が強い。ところが独逸文化の力はすべての方面に入り満ちているのである。これが四方に敵を受けて今日なお防禦より攻勢を取っているゆえんである。露国に向っても仏蘭西に向っても、この節は巴爾幹に向っても四方に攻勢を取っているゆえんである。自己の領土にまだ一歩も敵を入れぬ。この力は何から起ったかといえば文明の力である。