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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

少しは考えて見るがいい。といったところできゃつなかなか考える気遣はない。あの皮のあたりへ行って背中をつけるが早いか必ずべたりとおいでになるに極っている。こんな無分別な頓痴奇を相手にしては吾輩の顔に係わるのみならず、引いて吾輩の毛並に関する訳だ。いくら、むずむずしたって我慢するよりほかに致し方はあるまい。しかしこの二方法共実行出来んとなるとはなはだ心細い。今において一工夫しておかんとしまいにはむずむず、ねちねちの結果病気に罹るかも知れない。何か分別はあるまいかなと、後と足を折って思案したが、ふと思い出した事がある。うちの主人は時々手拭と石鹸をもって飄然といずれへか出て行く事がある、三四十分して帰ったところを見ると彼の朦朧たる顔色が少しは活気を帯びて、晴れやかに見える。主人のような汚苦しい男にこのくらいな影響を与えるなら吾輩にはもう少し利目があるに相違ない。吾輩はただでさえこのくらいな器量だから、これより色男になる必要はないようなものの、万一病気に罹って一歳何が月で夭折するような事があっては天下の蒼生に対して申し訳がない。聞いて見るとこれも人間のひま潰しに案出した洗湯なるものだそうだ。