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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

叔父さんは、雪江さんの顔を見ながら、「どうだ、いい恰好だろう」と自慢する。

「いい恰好なの? それが? あんまりよかあないわ? 油壺なんか何で持っていらっしったの?」

「油壺なものか。そんな趣味のない事を云うから困る」

「じゃ、なあに?」

「花活さ」

「花活にしちゃ、口が小いさ過ぎて、いやに胴が張ってるわ」

「そこが面白いんだ。御前も無風流だな。まるで叔母さんと択ぶところなしだ。困ったものだな」と独りで油壺を取り上げて、障子の方へ向けて眺めている。

「どうせ無風流ですわ。油壺を警察から貰ってくるような真似は出来ないわ。ねえ叔母さん」叔母さんはそれどころではない、風呂敷包を解いて皿眼になって、盗難品を検べている。「おや驚ろいた。泥棒も進歩したのね。みんな、解いて洗い張をしてあるわ。ねえちょいと、あなた」

「誰が警察から油壺を貰ってくるものか。待ってるのが退屈だから、あすこいらを散歩しているうちに堀り出して来たんだ。御前なんぞには分るまいがそれでも珍品だよ」

「珍品過ぎるわ。一体叔父さんはどこを散歩したの」

「どこって日本堤界隈さ。吉原へも這入って見た。なかなか盛な所だ。