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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

一只没有名字的猫,蹲在主人身边看尽人间百态,吐槽起来比人类还犀利。跟着它的眼睛,你会发现这个世界有多荒唐又有趣。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 322,123 字 · 643 页

青空文庫

「清や、清や」と細君が下女を呼ぶ声がする。

「こいつは大変だ。奥方はちゃんといるぜ、君」

「ウフフフフ」と主人は笑いながら「構うものか」と云った。

「奥さん、奥さん。いつの間に御帰りですか」

茶の間ではしんとして答がない。

「奥さん、今のを聞いたんですか。え?」

答はまだない。

「今のはね、御主人の御考ではないですよ。十六世紀のナッシ君の説ですから御安心なさい」

「存じません」と妻君は遠くで簡単な返事をした。寒月君はくすくすと笑った。

「私も存じませんで失礼しましたアハハハハ」と迷亭君は遠慮なく笑ってると、門口をあらあらしくあけて、頼むとも、御免とも云わず、大きな足音がしたと思ったら、座敷の唐紙が乱暴にあいて、多々良三平君の顔がその間からあらわれた。

三平君今日はいつに似ず、真白なシャツに卸立てのフロックを着て、すでに幾分か相場を狂わせてる上へ、右の手へ重そうに下げた四本の麦酒を縄ぐるみ、鰹節の傍へ置くと同時に挨拶もせず、どっかと腰を下ろして、かつ膝を崩したのは目覚しい武者振である。

「先生胃病は近来いいですか。こうやって、うちにばかりいなさるから、いかんたい」