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しじゅうふわく

四十不惑

佐々木 邦

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1952(昭和27)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,633 字 · 26 页

青空文庫

英語の先生とお茶の先生

僕は元来実務以外のことであなた方と個人的交渉を持ちたくないんです。(うまいことを言ったものだと思いながら)それでお断りしたんですから、その辺のこともよくお話し下さい」

「すっかり申上げます」

「僕と打ち合せたことは仰有らないで下さいよ。僕が何か細工をしたように思われると拙いですから」

と僕は念を入れて、益※(二の字点、1-2-22)足許を見られるようなことを言わなければならなかった。

日曜の朝、小柴さんが訪ねて来た。僕は日曜は無精をきめて髭を剃らない。しかし小柴さんが頭にあったから、イの一番の仕事として、綺麗にシェーブした。時々刻々待っていたのだが、そんな風は見せない。妻から知らせがあった時、

「小柴さんが? ふうむ。何の用だろう?」

と首を傾げた。

「あなたのところじゃないのよ。私のところへお出になったのよ」

「はてね」

「課長さんにはお目にかゝらない方がいゝ御用件ですと仰有っていらっしゃいました」

「変だね」

「でも、後からいらっしゃい」

と妻は得意だった。

英語の先生とお茶の先生

僕は妻に説かれて、タイピスト達に英語を教えることになった。土曜日が早仕舞いだから、一時間と少しばかり寄進につく。