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としょかんほうをちほうのばんにんのてに
図書館法を地方の万人の手に
中井 正一
「出版ニュース」1950(昭和25)年5月上旬号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,589 字 · 4 页
このこころを、この三寸の胸に、ひそめていた私は、図書館法通過の責任を担った去年七月、一つの熱情として、私をとらえていた。
この法案は、日本の村々の涯に、あのつぶらな瞳をした、少年達に、青年たちに本を読ます図書館をつくってやるという法案である。
こんなに簡単な、こんな明るい法案が、最近の国会の中にあったであろうか。
しかもこの法案は、人々からいえば、隅のゴミゴミした屑法案の一つでしかなかったかも知れない。ちょうど、義務教育法案が、日清宣戦布告の議案よりも遙かに軽い法案であったように。
しかし、今から思えば、明治法案中、地方文化にとって、義務教育法案ほど、巨大な意義をもつ法案は、今後の歴史の上においても見出せまい。
目に見えない法案こそ、巨大な意味をもつことがある。
図書館法案も、また、地方文化にとっては未来に向かって、巨大な断層をもつ法案である。
二十六年度、国庫より※(2分の1、1-9-20)の補助金(八千万円ないしそれ以上)を闘いとることは、全図書館界、出版界の文化運動によって、決するのである。
中央でのこの戦に勝ち、七月から効力を発する図書館法案を、地方文化の、万人のものとするために生かすこと、これは出版界一九五〇年度の大いなるキャンペーンというべきであろう。