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あかげっと しなあちこち
国枝史郎歴史小説傑作選
国枝 史郎
国枝史郎『国枝史郎歴史小説傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤げっと 支那あちこち、印度の詩人、今昔茶話、支那の思出、世界の裏、全体主義、独逸の範とすべき点、日本上古の硬外交、秀吉・家康二英雄の対南洋外交、ヒトラーの健全性、ローマ法王と外交。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,334 字 · 121 页
五 縦横家
何故ビスマルクは、そんな非社交的の行動をしたのであろう?
それは、(昔は昔、今は今さ、現在の僕は、むかし、ペテルスブルグで、君の靴の紐をといた時代の僕とは違うのだよ。そのつもりでね!)
という意味を、あらかじめゴルチャコフに知らせ、その胆を奪ったのであった。
この事前の、ビスマルクの外交手段が功を奏し、ベルリン会議では、ゴルチャコフは、終始、意気銷沈し、ビスマルクに牛耳られた。
その結果、ステファノ条約は破棄され、露西亜に不利の新条約が締結された。
どうも是によると、外交官というものは、骨牌一つ打つにも、細心の注意をしなければいけないものらしい。
五 縦横家
いま、支那に関する、ちょいとした著述をしているので、支那の現在と過去のことをしらべている。
戦国時代の七国の興亡が両白い。
戦国の七雄――秦、楚、斉、燕、韓、魏、趙、これらの国のうち六国が亡びて、秦に併呑されたのは、けっきょく、縦横の説を説いた蘇秦と張儀とのためだということになる。
蘇秦という男は、最初は、連衡の策を、秦に説いたのであった。
連衡の策というのは、秦を頭にして、楚や斉等の六国を、これに服従せしめて、天下を統一しようという策なのであった。