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あかげっと しなあちこち

国枝史郎歴史小説傑作選

国枝 史郎

国枝史郎『国枝史郎歴史小説傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:赤げっと 支那あちこち、印度の詩人、今昔茶話、支那の思出、世界の裏、全体主義、独逸の範とすべき点、日本上古の硬外交、秀吉・家康二英雄の対南洋外交、ヒトラーの健全性、ローマ法王と外交。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 59,334 字 · 121 页

青空文庫

二

二

次に推古天皇様の御宇十五年に、隋と交通し、はじめてわが国から遣隋使として小野妹子をつかわし、聖徳太子様御自らお認めあそばされた国書を隋の煬帝に遣わされたが、その堂々たる大文章はわが国威を宣揚したものとして殆ど古今に比類無いほど立派なものであった。即、その国書の中には「日出処天子、致書於日没処天子」とあり、日本と支那とを対等の位置に置いてあったのである。これは今日の眼を以ってすれば何んの不思議もない至極当然のことなのであるが併しその時代の見解からすれば必しも然うではないのであって、煬帝の心を以ってすれば支那は大国であるが日本は小国であり、支那は文化古く世界の中国であるが日本は支那の文化を輸入して僅に最近文化的になったばかりの国であり且東海の叢爾たる島国である。日本の如きは寧ろ支那の保護国ともいうべきものである。しかるに何んぞ対等の礼を執ったる国書を持来たすとは! そこで「これより後蛮夷の礼を失するものあらば、之を奏聞すること勿れ」と侍臣に言渡したほどであった。

ところが聖徳太子様の御見解はそれとは反対で、成程最初こそ朝鮮や支那の文化を輸入して日本の文化を促進させたが、今日に於ては日本民族独特の抱容性と消化性と合理化性と創造性と第三文化打出的ルネッサンス性とによって、日本的純粋の高度文化を築上げ、既に官位