轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ざいがくりゆう

在学理由

豊島 与志雄

「日本評論」1938(昭和13)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,167 字 · 21 页

青空文庫

他の学生達と二人の教師とは、文章の問題などには興味がないのか、或は李が始終沈黙を守っていた末に矢杉と長々話しだしたのに遠慮してか、或は道筋が異るのか、別れていってしまった。

矢杉は李と二人で、小川町の会場からお茶の水駅東口の方へ、広い静かな街路を、少し酒にほてった身で夜気を吸いながら、ゆっくり足を運んだ。

話題は文章のことから離れて、矢杉の好奇心の向く方へ動いていった。そして旧知の師弟の間に於けるような会話が続いた。

「君はどの科目も成績が優良なのに、どうして五年間も学校にぐずついてるんだい。早く卒業した方がいいじゃないか。」

そんなことを矢杉が知ってるのを、李は訝りもせず、素直に答えた。

「学校にいる間に、いろいろなこと勉強したいんです。」

「沢山講義を聴いてるのかい。」

「講義ではありません。植字とか、編輯とか、校正とか、研究してみました。」

そして彼は、或る小さな印刷所に手伝いに行ったこと、或る同人雑誌の編輯を手伝ったこと、或る知人の校正をさせてもらったことなどを話した。但しこの最後のものは失敗だった。面白くないものは校正も嫌気がさし、面白いものになると、校正はせずにただ読んでしまうのだった。