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ちきゅうようさい
地球要塞
海野 十三
「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页
熔接が終ると、次は、水槽内の水を、艇内の喞筒でもって、吸い出しにかかった。これは、大して面倒なことではなかった。
煌々たる水中灯の光を浴びて、クロクロ島の巨体は、やがてしずかに浮き上りはじめた。
すっかり浮き上ったのは、作業を始めてから、わずか十時間のちのことであった。洋上は、二十三時で、真暗であった。洋上は浪しずかで、空には、星がきらきらと瞬いていた。
私は、オルガ姫を伴って、水上に浮かびあがった工作潜水艇から、クロクロ島へと、乗りうつった。
まずクロクロ島の内部へ、いろいろな方法で信号をしてみた。だが、私の予期したように、何等の応答もなかった。
そこで、やむなく、私は、入口の鉄扉を明けにかかった。いろいろの道具をもってきて、試みてみたが、扉はぴたりと閉ったままで、なかなか開きそうになかった。
そこで私は、オルガ姫を、再び水中にもぐらせて、クロクロ島の底に、外に向って開いている排出孔から、逆に入りこませることにした。もちろん、そこにも三重の鉄扉があるが、開けることは、それほどむずかしくないのであった。
私が、クロクロ島の背中で待っていると、それから十分ほどして、足許で、ぎいぎいと音がしはじめた。