轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

島の上に出ると、朝やけの空のもと、静かな海にはうねりもなかった。

昨夜、この辺に、執拗な索敵行動をくりかえした汎米連邦の艦隊は、影も見えなかった。空と海と、そしてクロクロ島だ。原始時代の昔にかえったような、まことに単純な世界の中の一刻であった。戦争もない、資源問題もない。只有るのは、今もいったように、空と海と、そしてクロクロ島だけであった。

私は、古ぼけた籐椅子に、背をもたせかけた。それから、肘掛の裏をさぐって、釦を指先でさぐった。番号の4という釦を押すと、足許の岩がバネ仕掛けの蓋のように、ぽんと開いた。そして下から、西洋の郵便箱のような形をした録音発声器がせりあがってきた。

私は発声器の後部をひらいて、鞄の中に入れてきた録音ワイヤを投げこんだ。ワイヤの一端を、スプールの一方の穴に止め、そして、蓋を閉じると、発声器は自然に録音を再発声しはじめた。

“――欧弗同盟側は、一切の戦闘準備を終了した。召集された兵員の数は、二千五百万、地下鉄道網は、これらの兵員を配置につけるため、大多忙を極めている”

これは汎米連邦のワシントン放送であった。

ちょっと途切れてから、また次の録音が声にかわった。