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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

「譚海」1940(昭和15)年8月~1941(昭和16)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 71,834 字 · 144 页

青空文庫

「人間? お互いに人間であることに、変りはない。X大使よ、君は人間の悪口をいうが、それは天に唾をするようなものではないか。つまり自分の悪口をいっているわけだからねえ」

私は、むかむかして、こっぴどく大使をやっつけたつもりだった。

しかし、X大使は、無遠慮にからからと笑い、

「あははは、可哀いそうな者よ。なんとでも、好きなように自惚れているがいい。そのうちに君たちの大東亜共栄圏は、白人たちの土足の下に踏みにじられるだろう」

「やあ、そういう君は、白人種結社から派遣されたスパイだろう」

「違う」

と、X大使は、言下につよく否定したが、しばらくその後を黙っていて、やがてなんだかわざとらしい調子の言葉になって、

「……まあ、なんとでも想像するがいい。しかしとにかく、わしは君に警告しておく。もう、あのようなくだらん磁力砲などを仕掛けるのはよせ」

「余計な御忠告だ。そういう君は、磁力砲の偉力に、すっかり参ったというわけだろうが……」

私は、大使が、悲鳴をあげているのだと確信した。

するとX大使はまた、ふふんと鼻で嗤い出して、

「おい、黒馬博士。君は学者のくせに、いつまで、迷夢から覚めないのか。