轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うもれたにほん

埋もれた日本

和辻 哲郎

――キリシタン渡来文化前後における日本の思想的情況――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,399 字 · 43 页

青空文庫

『辰敬家訓』として述べるものも、実はこの父の教訓にほかならない。辰敬自身は、青年時代以来諸国を放浪して歩いたが、その間に、「力を以て事をなすは下の人、心を働かして心にて事をなすは上の人」と悟ったのである。悟ってみると父の教訓がしみじみと思い出されて来る。で、心を正直に持ち、ついに身を立てることができたのであった。

辰敬はこの体験にもとづいて、学問の必要を何よりも強く力説している。したがってこの家訓は、学問と道理とに対する関心のもとに、主として学問の心得を説いたものだといってよいのである。

まず初めに手習い学問の勧めを説き、「年の若き時、夜を日になしても手習学文をすべし。学文なき人は理非をもわきまへ難し」と言っているが、ここで勧められているのは、文芸を初め諸種の技芸である。しかもその勧めは、前にあげた兼良の『小夜のねざめ』と同じく、平安朝の文芸を模範とした教養の理想のもとに立っているのである。それを説いているのが戦国末期の勇猛な武士であるというところに、我々は非常な興味を覚える。

が、『辰敬家訓』の一層顕著な特徴は、「算用」という概念を用いて合理的な思惟を勧めている点である。