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たしんきょう

多神教

泉 鏡花

「文藝春秋」1927(昭和2)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,787 字 · 36 页

青空文庫

後見 なあよ。

太鼓の男 おおよ。(言交す。)

道化の面の男 かえっておぞうさとは思うけんどが。

笛の男 されば。

おかめの面の男 御挨拶べい、かたがただで。(いずれも面を、楽しげに、あるいは背、あるいは胸にかけたるまま。)

後見 はい、お供して参りますで。

禰宜 さあさあ、これ。――いや、小児衆――(渠ら幼きが女の児二人、男の子三人にて、はじめより神楽を見て立つ)――一遊び遊んだら、暮れぬ間に帰らっしゃい。

後見 これ、立巌にも、一本橋にも、えっと気をつきょうぞよ。

小児一 ああ。

かくて社家の方、樹立に入る。もみじに松を交う。社家は見えず。

小児二 や、だいぶ散らかした。

小児三 そうだなあ。

小児一 よごれやしないやい、木の葉だい。

小児二 木の葉でも散らばった、でよう。

女児一 もみじでも、やっぱり掃くの?

女児二 茣蓙の上に散っていれば、内でもお掃除するわ。

女児一 神様のいらっしゃる処よ、きれいにして行きましょう。

女児二 お縁は綺麗よ。

小児一 じゃあ、階段から。おい、箒の足りないものは手で引掻け。

女児一 私は袂にするの。

小児二 乱暴だなあ、女のくせに。

女児三 だって、真紅なのだの、黄色い銀杏だの、故とだって懐へさ、入れる事よ。