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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
「大阪日日新聞」1947(昭和22)年5月24日~8月9日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 66,871 字 · 134 页
小沢は急にはっとして思い当ることがあった。
唖の娘の二の腕の刺青……。
その生なましい青い墨の色を見た途端、小沢の頭には……。
梅田の闇市で見た刺青の男――市電の釣革にぶら下った青い腕――細工谷町の四ツ辻――唖の娘を連れてはいった「横井喜久造」の標札のあるしもた家――伊部の家の近所――四ツ辻――裸の……娘。
これらのイメージが同時に閃いた。
「そうだ、たしかにそうだ、たしかにあの男だ、あの家だ」
小沢はそう叫ぶと、一同が引揚げるのも待たず、ぷっと駈け出して行った。
(映画の手法に従えば、ここで場面は当然針助の家に移るわけだ。作者は試みにこの場面を、シナリオ――つまり映画台本の形式で書いてみることにする)
…………………………
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│ 針助の家の中 |
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針助、腕をまくり上げている。刺青が見える。
裸にされた次郎と三郎がブルブルふるえながら、恐怖の眼で畳の上に置かれた刺青用の針の先を見ている。
針は電燈の光を浴びて白く冴えかえっている。
針助の異様に燃える眼が迫る。
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│ 四つ辻 |
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