轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

よあけまえ

夜明け前

島崎 藤村

01 第一部上

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 205,629 字 · 408 页

青空文庫

今度、福島からその挨拶があったのだ。

金兵衛は待ち兼ね顔に、無事で帰って来たこの吉左衛門を自分の家の店座敷に迎えた。金兵衛の家は伏見屋と言って、造り酒屋をしている。街道に添うた軒先に杉の葉の円く束にしたのを掛け、それを清酒の看板に代えてあるようなところだ。店座敷も広い。その時、吉左衛門は福島から受け取って来たものを風呂敷包みの中から取り出して、

「さあ、これだ。」

と金兵衛の前に置いた。村の宿役人仲間へ料紙一束ずつ、無尽の加入者一同への酒肴料、まだそのほかに、二巾の縮緬の風呂敷が二枚あった。それは金兵衛と桝田屋の儀助の二人が特に多くの金高を引き受けたというので、その挨拶の意味のものだ。

吉左衛門の報告はそれだけにとどまらなかった。最後に、一通の書付もそこへ取り出して見せた。

「其方儀、御勝手御仕法立てにつき、頼母子講御世話方格別に存じ入り、小前の諭し方も行き届き、その上、自身にも別段御奉公申し上げ、奇特の事に候。よって、一代苗字帯刀御免なし下され候。その心得あるべきものなり。」

嘉永六年丑六月

三逸作

石団之丞

荻丈左衛門

白新五左衛門

青山吉左衛門殿