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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
37 恐山の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 页
こう言って、今や包の結び目に手をかけた。それはさきほど関ヶ原の本宿で、定九郎鴉にさらわれたという、伊太夫の髑髏の間の枕許の古代切の箱入りの包でありました。
「それはそれとしてあやまって置いて、別にこれから、御機嫌直しのお手土産を御披露に及びたい」
「何です、それは」
「何ですか、御当人もまだわからない、あけて口惜しきびっくり箱でなければお慰み」
「ずいぶん凝った包じゃないの」
「なんしろ、こいつは大物だよ」
「どうして、お前さんそれを手に入れたの?」
「どうしてったってお前、三百両の抵当に持って来ようておみやげだから、やにっこい物は持って来られねえ」
「相当に重味はありそうだね」
「相当に重いよ、第一、出どころが確かなものだぜ、こいつ大物と睨んだ眼力に誤りはあるめえ」
「能書はあとにして、早く中をあけて見せておくれよ」
金銀か、珊瑚か、綾錦か――相当のものには相違ないと、お蘭どのもあんまり悪い気持はしないらしい。
五十
十二分の自負心と期待とをもって包を解きにかかったがんりきの百御本人も、実はまだ内容の何ものであるかを開いて見てはいないのです。開いて見る暇もなかったのですが、本来あれほどの大物が寝る間も枕許を放さずにあれほど大事がった品だから、内容の額そのものよりも、自分の睨んだ眼力に万あやまりがないという