轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
たいへいようらいげきせんたい
太平洋雷撃戦隊
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1933(昭和8)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,885 字 · 24 页
「うむ。――」
大尉が無線電話機をとりあげて見ますと、待ちかまえたように、司令官の声がしました。
その電話は、×を控えて、二分間ほども続きました。その間に、この難関を切りぬける作戦がまとまりました。
「それでは――」と司令官は電話機の彼方から態度を正していわれました。
「貴艦の武運と天佑を祈る」
「ありがとう存じます。それでは直に行動に移ります。ご免ッ」
電話機はガチャリと下に置かれました。
(よオし、やるぞッ!)
艦長の顔面には、固い決心の色が、実にアリアリと出ています。
「総員戦闘位置につけッ」
そう叫んだ艦長は、旗艦はじめ四隻の僚艦の行動を、司令塔の上からじッと見ています。四艦はグッと揃って右に艦首を曲げました。そしてグングンと潜航です。見る見る波間に姿は隠れてしまいました。海上に残ったのはわが第八潜水艦一隻だけです。
「水面航行のまま、全速力ッ」
ビューンと推進機は響をたてて波を蹴りはじめました。何という無茶な分らない振舞であろう! まるで、敵の牙の中へ自らとびこんでゆくようなものです。
五分、十分、十五分……。
航路をやや外れかかった×の哨戒艦が、俄かに艦首を向けかえて、矢のように、こっちへ向って来ます。