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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1939(昭和14)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,147 字 · 187 页
太刀川の全身は、かーっとあつくなった。
「司令官閣下。どういたしましょう」
「うむ……」
ケレンコはうなったまま、しばらく考えこんでいたが、やがて決心して、
「対日戦の血祭に、ここでひとつやっつけてやれ!」
といいはなった。
おそろしき海戦
なんという自信であろう。
ケレンコは、わずか十二隻の恐竜型潜水艦で、約八十隻の潜水艦、約百五十隻の駆逐艦と、戦闘をはじめようというわけだ。
いや、
太刀川は、恐竜第六十戦隊の司令パパーニン中佐からの無電を途中からきいたので、
「戦艦八隻、巡洋艦十八隻、航空母艦六隻………」
というところをききもらしていた。だからじっさいは、太刀川の考えた以上の大艦隊であった。それを、わずか十二隻の恐竜型潜水艦でむかえうとうというケレンコの自信は、おどろくのほかない。
「しまったことをしたなあ」とケレンコは、つぶやくようにいった。
「恐竜にのっていりゃ、海上の様子も、テレビジョン鏡で手にとるように見えるのだが、……今から恐竜にのりうつることもできない。あと十分でアメリカ大艦隊とぶつかるというどたんばに来ては――」
「え、アメリカ大艦隊?」