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おんなごころのつよければ
女心の強ければ
豊島 与志雄
「女性改造」1950(昭和25)年8月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 47,011 字 · 94 页
その二つを、一緒にまとめて考えたのである。小さな文房具店だが、きれいに飾り立て、普通の文房具の外、千代紙だの小箱だの、女の子が好きそうなものを取り揃え、ことに人形、大小さまざま、和洋さまざま、伯母さん親子が作ったものは勿論、硝子棚に並べ立てるのである。文房具にせよ、その他のものにせよ、仕入れが大切だというけれど、幸に、長谷川の兄が政治上の関係から、その方面の卸商たちに知り合いがあり、便宜をはかって貰えるはずだった。そのことは長谷川が引き受けていたのである。
「お兄さんの方、どうなんでしょう。」
長谷川は眼をしばたたいた。
「早くして下さらなければ、困るわ。」
長谷川は苦笑したが、心のうちでは驚嘆の思いだった。人形の店、デパートの文房具売場、それから、人形を看板の文房具店……女の知恵というものは、なんと着々と進んでゆくことか。
「大丈夫、引き受けましたよ。早速、兄に頼んでみます。」
彼も本気にならざるを得なかった。文房具店など、他愛ない夢か気紛れの冒険かに過ぎないと思われたのに、彼女はもう真剣になっていた。
どういう風に兄へ頼んだらよかろうかと、彼は考えた。