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ようば

妖婆

芥川 竜之介

大正时代的东京街头,电车电话环绕,却发生了宛如爱伦·坡小说中的诡异事件。你敢相信,那位妖婆可能就藏在文明的光影里吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,473 字 · 73 页

青空文庫

に頼んで置いて、一まず電話を切ってしまいました。所がかれこれ午近くになると、今度は泰さんから電話がかかって来て、案の定今朝お島婆さんの所へ、家相を見て貰いに行ったと云うのです。「幸、お敏さんに会ったからね、僕の計画だけは手紙にして、そっとあの人の手に握らせて来たよ。返事は明日でなくっちゃわからないが、何しろ非常の場合だから、お敏さんも振って引受けそうなもんだ。」――こう云う泰さんの言葉を聞いていると、いかにも万事が好都合に運びそうな気がしますから、いよいよ新蔵はその計画と云うのが知りたくなって、「一体何をどうする心算なんだ。」と尋ねますと、泰さんはやはり昨夜のように、電話でもにやにや笑っている容子で、「まあ、もう二三日待ち給え。あの婆が相手じゃ、電話だって油断がならないからね。じゃいずれまた僕の方から、電話をかける事にしよう。さようなら。」と云う始末なのです。電話を切った新蔵は、いつもの通りその後で、帳場格子の後へ坐りましたが、さあここ二日の間に自分とお敏との運命がきまるのだと思うと、心細いともつかず、もどかしいともつかず、そうかと云って猶更また嬉しいともつかず、ただ妙にわくわくした心もちになって、帳面も算盤も手につきません。