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しぎょうしきくんじ

始業式訓示

大隈 重信

「早稻田學報 第貮百九拾壹號」早稻田大學校友會、1919(大正8)年5月10日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,974 字 · 11 页

青空文庫

〔世界改造と自由独立の権利〕

早稲田大学の境遇は諸君の境遇に能く似ているというべきである。

〔世界改造と自由独立の権利〕

這般世界に於ける大乱の結果、世界改造という事が起った。果してこの理想が実現されて将来の世界は全く改造されて、戦いを止めて平和の下に平和的競争に依って人生の幸福を捗らすことが出来るや否やということは疑問である。しかしながら疑いもなく世界は頗る小さくなって、而して平和に一歩足を投じたに相違ない。ここに於て愈々競争は何処へ向うかというと理智の競争、学術の競争である。そればかりではいかぬ。学術を応用する。即ち人間の実生活の上にこれを応用することについて各国が相競うのである。是に於て政治経済、法律、商科、理工科、学科が如何に違うとも、自己の境遇が如何に異るとも、日本国民として世界人類中優れたところの日本人として、世界的観察の眼を放ってみると、ここに吾人の常に為すべき根本の務めがある。この務めを名付けて権利という。

早稲田大学は学問を独立させようという主義の下に成立ったのである。即ち独立の権利、自己生存のためには侵すべからざる権利、奪うべからざる権利を得ようというのである。