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しぎょうしきくんじ
始業式訓示
大隈 重信
「早稻田學報 第貮百九拾壹號」早稻田大學校友會、1919(大正8)年5月10日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,974 字 · 11 页
〔大なる希望をもって目的を達したい〕
何処までも吾人は身を修めて努力しなければならぬ。富貴も淫する能わず、威武も屈する能わず、貧賤も移す能わず、これが真の大丈夫だ。これでなくてはいかぬ。陽明の良知説もこれから来ている。カントが絶対善を説いて而して自己を修めるというのと全く似ているようである。似るはずだ。人間というものは同じものだ。然るに欧羅巴人は一時この主義を棄てたのである。第十八世紀までは欧羅巴は盛んであったが、第十九世紀にこれを棄ててしまった。全く棄てもしなかったが、とにかくこれを軽んじたことが欧羅巴の過ちに陥ったゆえんである。我輩の論法を以ていえば、諸君が努力すれば世界の平和は手にある。日本が世界最大の強国となって世界に畏敬される国になることも決して難きに非ずと思う。そこまで行かなければ我輩は死なぬ。そこに行くまで生きておる。これが百二十五歳説の起るゆえんである。
〔大なる希望をもって目的を達したい〕
今日は諸君の英発の気に触れて、先刻学長のいわれた如く我輩老人も若くなったようで非常に愉快に思う。どうか諸君と共に大なる希望をもってこの目的を達したい。大いに学んでその学理を人間の実生活に応用して、そうして大いに働けば国は富む。