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ふじんとぶんがく
婦人と文学
宮本 百合子
※「作品について」参照
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 180,792 字 · 351 页
「花のごとく土にし咲きてわれは見むわが知らぬわれのいのちの色を」
昭和四年外遊の前に出た『わが最終歌集』では、
「舞ひ舞ひて舞ひ極まればわがこゝろ澄み透りつゝいよよ果なし」
と、成熟感が自覚されている。
昭和十一年に晩年の芥川龍之介が登場する「鶴は病みき」が『文学界』に発表され、岡本かの子の作家としての出発が開始された。続いて「母子叙情」「金魚撩乱」「老妓抄」「雛妓」「丸の内草話」「河明り」その他昭和十四年の二月に急逝するまで、彼女の作品は横溢的に生み出された。
「をみな子と生れしわれがわが夫に粧はずしてもの書きふける」
とよむ状態のうちに送り出された。
この作家の世界の特色は、作品の量の多産とともに、溢れる自己陶酔、濃厚な色彩の氾濫、「逞しい生きの力」などとして見られる。同時に、このように生命力の多様な発現の姿に興味を示した作家の世界が、そのつよい色彩や濃い描線にかかわらず、いつも一種の暗さと頽廃を伴っているのはどういうものであろう。生命のあらわれ、その躍動として、人間万事のいきさつを見るこの作家は、それを全く自分の感性の世界においてだけ感じとり、くみ立てた。