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ふじんさっか

婦人作家

宮本 百合子

「婦人と文学」附録、筑摩書房、1951(昭和26)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,898 字 · 58 页

青空文庫

はそこをしめつけている封建的な、家長的な圧力に耐えかねて、「家」を否定した当時の若い世代が、個人の内部へ向けるしかなかった自己剔抉となって「私小説」の源としての役割をおびた。

婦人作家の境遇は、まだまだ男に隷属を強いられる女としての抗議にみちていた。したがって彼女たちにとっては初期の自然主義作家の肉慾描写をまねようとするよりも、むしろ、そのように醜いものとして描写されている肉慾の対象とされていなければならない女性の受動的立場と、それを肯定している習俗への人間的抗議が、より強く感じられたのは自然であった。小寺菊子は自然主義的な手法で婦人科医とその患者との間におこる肉感的ないきさつを描いたりもしたが、この作家でも、「肉塊」としての女は描けなかった。この現象は、案外に深く文学そのものの人間性につながる意味をもっているものではなかろうか。婦人の芸術的能力が客観性をもたず弱いから、男の作家の描くような女が描けず男がかけないという解釈だけでは、不充分なものがある。資本主義の社会体制は婦人を人間的にあらせることが不可能な条件の上に保たれている。資本主義社会内に対して、新しい歴史の力が闘いをいどみはじめた第一歩である自然主義の時代、特に日本のように、近代化がおくれて女の抑圧されている社会で、少くともものを書く婦人が、封建