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ふじんさっか

婦人作家

宮本 百合子

「婦人と文学」附録、筑摩書房、1951(昭和26)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,898 字 · 58 页

青空文庫

なくなった進歩的インテリゲンチャの一動向であった。

雑誌『青鞜』は、「元始、女性は太陽であった」その女性の天才を「心霊上の自由」によって発揮させるというらいてうの理想によって発刊された。『青鞜』には、小金井喜美子、長谷川時雨、岡田八千代、与謝野晶子から、まだ少女であった神近市子、山川菊栄、岡本かの子その他を網羅して瀬沼夏葉はチェホフの「桜の園」の翻訳を掲載した。野上彌生子が「ソーニャ・コヴァレフスカヤ」の伝記を翻訳してのせたのもこの雑誌であった。

「新しい女」というよび方がうまれた。たばこをのむこと、酒を飲むこと、吉原へ行ってみることなどさえも婦人解放の表現であるとされた時代であった。イプセン、エレン・ケイの婦人解放思想がうけ入れられたが、やがて奥村博史と結婚したらいてうの生活が家庭の平和をもとめて『青鞜』の仕事から分離したことと、その後をひきついだ伊藤野枝がアナーキスト大杉栄とむすばれて、神近市子との間に大きい生活破綻をおこしたことなどから、『青鞜』は歴史の波間に没した。

同時代にあらわれた『白樺』のヒューマニストたちが、『青鞜』のグループと終始或る隔りをもちつづけたことは、注目される。