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ふじんさっか
婦人作家
宮本 百合子
「婦人と文学」附録、筑摩書房、1951(昭和26)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,898 字 · 58 页
広津桃子にしても、関村つる子にしても、人間としての女の自然な発声に立っている。
ささやかなように見えるこの前進は、重大な歴史の一歩である。なぜならば、婦人作家が、もう日本に独特な女心の人形ぶりをすることをやめたという事実は、それらの婦人作家にとっても、前進の道は人間の道、二十億の多数なる人民の道の上にしかないことを確証することであるから。このような行手の眺めは「わたしたちも歌える」に見られる小さな婦人たちの発言のうちにも閃いている。
きょうのジャーナリズムの上にあらわれて文学とよばれているものの大部分がどのようであろうとも、歴史とともに文学は変りつつある。
ヒューマニティーと歴史との関係は、益々鋭く一人一人の作家の生きかたとその文学の上にあらわになって来た。婦人作家が人間としての自立性を高めて来るにつれて、――女の文学から、人間の文学に高まるにつれ――理性によって選ばれ、方向づけられたヒューマニティーの意欲ある展開が婦人の文学の上にも花咲くことは当然期待されることである。
作家について語る場合、その人々の文学作品を見るばかりでなく社会的なすべての発言、すべての行動が統一的に見られ互に関係しあうものとして見られるようになりつつある。