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ふじんもんだいかいけつのきゅうむ

婦人問題解決の急務

大隈 重信

「新日本 第七巻第八号」冨山房、1917(大正6)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,495 字 · 22 页

青空文庫

即ちこれらは皆夫婦なので、夫婦なくんば子孫の繁栄を期する能わず。これは生物学上自明の理で、人類の蕃殖ということは両性よりする。個人が相結んで社会を形成するその根本要素はここに存在するので、義務の観念はこれより萌芽し、道徳の曙光はここに顕現する。

両性の関係はかくの如く重且つ大なるものあるに拘わらず、古来この問題が如何ほど研究されたかというに、甚だ怠られて来て居る。東洋に最古の文明を有するものは支那で、天才的哲人も輩出したけれども、この問題はあまり深き研究を経ず、ただ漠然陰陽説の仮定に本づき、その消長に依って男を天に配し、女を地に配し、自ずからその間に上下の位置を定めているので、五倫の大綱を立てて夫婦の一綱をその中に加えておくけれども、然らば、その夫婦別ありという具体的の解説如何と問えば、それは夫唱婦随であると答うるのである。而かも茫々四、五千載、太古に定められたるこの唯一の原則を守ってなんら疑うを知らざる如きは何に依るか。道徳説の築き方に多少の相違はあるけれども、印度もまたこの婦人問題に、真実解釈を欠けるは支那と同様である。仏者に問わば、例の女子は三界に家なしの流義で既に解決されて在るというか知らぬが、かくの如きは勿論甚だしき独断の誤謬に捉われたものである。