轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おんなけいず

婦系図

泉 鏡花

「やまと新聞」1907(明治40)年1~4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 172,760 字 · 343 页

青空文庫

鵯越の逆落しと遣れ。裏階子から便所だ、便所だ。」

どっかの夜講で聞いたそうな。

二十八

手水鉢の処へめ組はのっそり。里心のついた振られ客のような腰附で、中庭越に下座敷をきょろきょろとしたが、どこへ何んと見当附けたか、案内も待たず、元の二階へも戻らないで、とある一室へのっそりと入って、襖際へ、どさりとまた胡坐になる。

女中が慌しく駈込んで、

「まあ、どこへいらっしゃるんですか。」

と、たしなめるように云うと、

「ここにいらっしゃら。ははは、心配するな。」

「困りますよ。隣のお座敷には、お客様が有るじゃありませんか。」

「構わねえ、一向構わねえ。」

「こちらがお構いなさいませんでも、あちら様で。」

「可いじゃねえか、お互だ。こんな処へ来て何も、向う様だって遠慮はねえ。大家様の隠居殿の葬礼に立つとってよ、町内が質屋で打附ったようなものだ。一ツ穴の狐だい。己あまた、猫のさかるような高い処は厭だからよ。勘当された息子じゃねえが、二階で寝ると魘されらあ。身分相当割床と遣るんだ。棟割に住んでるから、壁隣の賑かなのが頼もしいや。」

「不可ませんよ、そんなことをお言いなすっちゃ、選好んでこのお座敷へいらっしゃらないだって、幾らでも空いてるじゃありませんか。