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こどもとうまのはなし
子供と馬の話
小川 未明
「童話」1923(大正12)年11月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 3,727 字 · 8 页
もっとこうして、休んでいたいと思ったのでありましょう。
しかし、いつまでも、男はそうしていることができないのを知っています。休めば、休むほど、疲れは出てきて、だんだん歩けなくなるものだからです。
「ど、ど、さあ、歩くだ。」と男は、馬を心からいたわるように、やさしくいいました。
このとき、男は、けっして、馬をしからなかったのでした。ひとり人間だけではなく、馬でも、牛でも、感情を解するものは、しかるよりは、やさしくしたほうが、いうことをきくものです。
馬は、また、重い荷車を引いて歩いてゆきました。
「こんなときは、馬もなかなか骨おりだ。」と、そのとき、太郎のお父さんといっしょに夜警をしていた人たちは感じたのであります。
翌日のことでした。太郎と二郎とが、またちょっとしたことから、けんかをはじめましたときに、お父さんは、昨夜見た、あわれな子供らや遠いところから歩いてきた馬の話を二人にしてきかされました。
「かわいそうな人たちのことを思ったら、けんかどころではないだろう。」と、いわれましたときに、二人は、ほんとうに感心をいたしました。
太郎と二郎は、自分のいままで読んでしまって重ねておいた雑誌や、書物や、またおもちゃなどを不幸な子供たちにあげたいとお父さんに申しました。