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うちゅうのまいご
宇宙の迷子
海野 十三
「少年クラブ」1947(昭和22)年4月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,497 字 · 29 页
そういったのは、千ちゃんだった。
「ほんとうはぼくは火星までいってみたいんだけれどねえ。こんどは日数がたりないので、だめさ」
ポコちゃんは、小さい目をしばたいてそういった。
「月の世界にこれまでいったことがあるんですか」
と、きいてみた。
「いいや、こんどが、はじめてです」
「どんなものを目的に探険するのですか。貴重な鉱石かなんかをさがしにいくんでしょう」
「そうじゃないんです。ぼくは、月がなぜあんなに冷えてしまったかということをしらべたいと思うんです」
千ちゃんは、そういってから、かたわらのポコちゃんのほうをゆびさして、
「しかしポコちゃんは、ぼくとちがった、べつな目的で探険するといっています」
「ポコちゃんの探険目的はなんですか」
「ぼくはね、ちょっとたいへんなんだよ。月の世界へいって、生物をさがすんだよ」
ポコちゃんは肩をそびやかした。
「生物をさがす? だって月には生物がいないんでしょう。月は冷えきっているし、空気も水もないから、生物がいきていられないわけですね」
「それがね、ぼくは問題だと思うんだ。ほんとうに生物がいないかどうか、じっさい月の世界へいってよく探してみないことには、はっきりしたことはいえない。