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うちゅうせんぺい
宇宙尖兵
海野 十三
「新青年」1943(昭和18)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,974 字 · 72 页
しかし仕事の上では同じことをやっているので、君僕の間柄だ。これまでに随分ぬいたりぬかれたりしていがみ合った仲だが、それもいよいよ今夜でおしまいだ。そう考えると、いささか感傷が起る。そこで一つ今夜は罪ほろぼしに、先生に奢ってやろうと考えたのだ。彼も近頃ますます懐中がぴいぴいであることは僕同然であって、同情にたえないものがある。
僕は一町ほど先の町角に在る公衆電話までいって、そこから魚戸氏を呼び出そうと思った。
そう思いながら、その方へ歩いていくと、ばったり魚戸氏に行き逢ってしまったではないか。
「いよう、魚戸。今夜は奢るから、一緒につきあえ」
と、私はいきなり声をかけた。すると魚戸は立ち停って、苦笑いをしながら、
「でかい声を出すなよ、みっともない。君が奢ってくれるとは珍らしい話だが、今夜はよすよ」
「駄目だよ、今夜じゃなければ……」
「折角だが断る。このとおり連れもあるしねえ」
初めから気はついていたが、僕も知らない顔ではないイレネを魚戸氏は連れている。
「やあ今日は、イレネさん」と帽子をとって挨拶をしてから、魚戸氏に「金はちゃんと持っているんだ。君たち二人ぐらい奢っても痛痒は感じないんだ。