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うちゅうせんぺい

宇宙尖兵

海野 十三

「新青年」1943(昭和18)年7月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,974 字 · 72 页

青空文庫

「いま、本艇は大作業を始めている。この作業が成功しなかったら、本艇はわれわれを乗せたまま、永遠に宇宙墓地の墓石となり果てるのだ」

と、演説しているような口調でいった。

「もっと詳しく説明してくれ」

僕は魚戸の腕を抱えて、ゆすぶった。

「あれを見ろ」と魚戸は僕の身体を前方へ引摺るようにして、斜め上方を指し「探照灯は本艇が出しているのだが、あの青白い光の中に黒い小山のようなものが並んでしずかに動いているのが見えるだろう。おい見えるか、見えないか」

「うん、見える、見える」

僕はようやく魚戸の指すものを探し当てた。ふしぎな島の行列だった。暗黒の宇宙に、なぜこのような多島群があるのであろうか。

「見えたか。おい岸。あれを何だと思う」

「何だかなあ」

「あれが宇宙墓地なんだ。宇宙をとんでいる隕石などが、地球と月との引力の平衡点に吸込まれて、あのように堆積するのだ。あのようになると、地球と月とに釘付けされたまま、もう自力では宇宙を飛ぶことはできなくなるのだ。引力の場が、あすこに渦巻をなして巻き込んでいるのだ」

「ふうん」

僕は言葉も出なかった。

「ところで本艇は今、ずるずると宇宙墓地のなかに引込まれつつある。