轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いえ

家

島崎 藤村

02 (下)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 141,411 字 · 285 页

青空文庫

と人に言われそうな気がして、お俊の顔を見ると何事も言えなかった。どんな為になることを言っても、為ても、皆なその一点に打消されて了うような気もした。三吉は心配して作って置いた約束の金を取出した。苦しむ獣のような目付をして、それを姪の前に置いた。

「何故、叔父さんはこうだろう……」

とお俊は自分で自分に言ってみて、宗蔵の世話料を受取った。

長くも居られないような気がして、お俊は一寸礼を述べて、やがて階下へ下りた。

お雪の居る部屋には、仕事が一ぱいにひろげてあった。叔母は長火鉢のところで茶を入れて、キヌカツギなぞを取出しながら、姪と一緒に上野や向島の噂をした。

「父さん、御茶が入りました」

とお雪は楼梯の下から声を掛けたので、三吉も下りて来た。三人一緒に成ってからは、三吉も機嫌を直した。叔母や姪は睦まじそうに笑った。

何処までもお俊は気をタシカに持って、言うことだけは叔父に言って置こうという風で、

「叔父さん――昨日母親さんに御話が有ったそうですが、宗蔵叔父さんと一緒に成ることは御断り申します」

と帰りがけに、口惜しそうに言った。

三吉は苦笑した。腹の中で、「なにも俺は、無理に一緒に成れと言ったんじゃ無いんだ――串談半分に、一寸そんなことを言って見たんだ――お前達はそう釈って了うから困る」