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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
正岡容『寄席囃子 正岡容寄席随筆集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:随筆 寄席囃子、艶色落語講談鑑賞、随筆 寄席風俗、寄席行灯、わが寄席青春録。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,259 字 · 222 页
すなわち今なお私の、橘之助夫妻のため、毎朝念仏唱名している所以である。
さて、そうした縁あればこそだろうか、この頃になってさるところから私は、橘之助の絵葉書三葉をもらった。それは彼女自身の蔵版とみえ、袋に「うきよぶし家元、石田美代事 初代 橘之助」と紫色のスタンプインクが押してあり、内容な年少断髪の高座姿(圓朝賛、圓橘画)とやや老けている時代と、そうして晩年に近いあの姿とである。なつかしい東京の忘れ形見として、いつまでも私は大切にとっておきたいと思っている。
たった一枚、わが愛蔵の音盤はとっちりとんの「あひるの卵」。何よりパチンと卵の殻の破れるその撥さばきが至宝である。
同じとっちりんとんで朝顔の琴の音はあまりにも如実に、三番叟への鈴音は迫真のなかにさんさんとふりそそぐ春の日、またその日の中に光りかがやく金鈴の色を手にとるように見せてくれた。
※(歌記号、1-3-28)水戸様は丸に水……という大津絵の「水づくし」も古風で軽妙至極のものだったし、十八番の「狸」には芳藤描く江戸手遊絵の夢があった。
自ら浮世節家元を唱えていたが、そもそも浮世節とは市井巷間の時花唄の中に長唄清元、常磐津、新内、時に説教節、源氏節までをアンコに採り入れ、しかもそれらがことごとく本筋に聴かし得て、初めてその名を許されるのではなかろ