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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第五巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:あひると猿、疑問と空想、映画と生理、映画雑感(Ⅲ)、映画雑感(Ⅳ)、災難雑考、三斜晶系、糸車、詩と官能、自由画稿、小浅間、小爆発二件、地図をながめて、天災と国防、日本人の自然観、破片、俳句の型式とその進化、俳句の精神、物売りの声、B教授の死。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 页
とが、少なくもある期間については多少の相関を示す場合がないとも言われないような気がして来るのである。もちろんこれは大風が吹いて桶屋が喜ぶというのと同じ論法ではあるが、そうかと言ってそういうことが全然ないということの証明もまたはなはだ困難であることだけは確かである。証明のできない言明を妄信するのも実はやはり一種の迷信であるとすれば、干支に関するいろいろな古来の口碑もいつかはまじめに吟味し直してみなければならないと思われるのである。
七 灸治
子供の時分によくお灸をすえると言っておどされたことがある。今のわれわれの子供にはもうお灸が何だか知らないのが多いようである。もぐさを見たことのない子供も少なくないであろう。お灸がいかなるものであるかを説明してやると驚いているようである。
小さい時分にはおどされるだけでほんとうにすえられたことはなかったようである。水泳などに行って友だちや先輩の背中に妙な斑紋が規則正しく並んでいて、どうかするとその内の一つ二つの瘡蓋がはがれて大きな穴が明き、中から血膿が顔を出しているのを見て気味の悪い思いをした記憶がある。