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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田寅彦『寺田寅彦随筆集 第五巻』。同一底本的分册已合并为一书。收入:あひると猿、疑問と空想、映画と生理、映画雑感(Ⅲ)、映画雑感(Ⅳ)、災難雑考、三斜晶系、糸車、詩と官能、自由画稿、小浅間、小爆発二件、地図をながめて、天災と国防、日本人の自然観、破片、俳句の型式とその進化、俳句の精神、物売りの声、B教授の死。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 194,515 字 · 389 页
、「はしり」を喜び「しゅん」を貴ぶ日本人とはこうした点でもかなりちがった日常生活の内容をもっている。このちがいは決してそれだけでは済まない種類のちがいである。
衣服についてもいろいろなことが考えられる。菜食が発達したとほぼ同様な理由から植物性の麻布綿布が主要な資料になり、毛皮や毛織りが輸入品になった。綿布麻布が日本の気候に適していることもやはり事実であろうと思われる。養蚕が輸入されそれがちょうどよく風土に適したために、後には絹布が輸出品になったのである。
衣服の様式は少なからずシナの影響を受けながらもやはり固有の気候風土とそれに準ずる生活様式に支配されて固有の発達と分化を遂げて来た。近代では洋服が普及されたが、固有な和服が跡を絶つ日はちょっと考えられない。たとえば冬湿夏乾の西欧に発達した洋服が、反対に冬乾夏湿の日本の気候においても和服に比べて、その生理的効果がすぐれているかどうかは科学的研究を経た上でなければにわかに決定することができない。しかし、日本へ来ている西洋人が夏は好んで浴衣を着たり、ワイシャツ一つで軽井沢の町を歩いたりすることだけを考えても、和服が決して不合理なものばかりでないということの証拠がほかにもいろいろ捜せば見つかりそうに思われる。