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しょうじょじごく
少女地獄
夢野 久作
「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页
それは実に姫草ユリ子一人の働きである事が、よく注意しているうちに判明して来た。
彼女は麻酔の醒める頃合いとか、手術後の苦痛を訴え始める時間とか、または熱の高下と患者の体質とが関連して起る苦痛の度合いとか言うものに就いて看護婦特有の……ソレ以上の親切な敏感さを持っていた。いつも患者が何か言い出す前に先を越して手当てをしたり、予告をして慰めたりしていたものらしい。時としては勝手に患者の耳や鼻を掃除したり洗ったり、甚しい時は私に断らずにモヒの注射、その他の鎮痛、麻酔手段を取った事が爾後の経過によって判明した事もあったが、しかし、それにしても患者の喜びは大したものであったらしい。ほかの看護婦に訴えてもマゴマゴしたり、躊躇したりしている事を彼女はグングン断行して安静に一夜を過ごさせたので、臼杵病院の姫草さんと言う名前が、私の名前よりも先に患家の間に好評を博した事は、決して不自然でなかった。無論、私が助かった事も非常なものであるにはあったが……。
そればかりではない。
彼女の持って生まれた魅力は事実、男女、老幼を超越したものがあった。この点では私の家族たちも唯一言「エライ」