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しょうじょじごく

少女地獄

夢野 久作

「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页

青空文庫

かかってみると、どうも御様子が変テコだから一応、電話でお伺いしてみろ。臼杵先生は大変にソワソワして昂奮しておられるようだったが、何かまたあの女が余計な事を仕出かしたのかも知れないから、早く電話をかけといた方がいいだろう。ユリ子が取次に出るか出ないか……という主人の言葉だった……と言う久美子夫人の話で、聞いていた妻の松子は、電話口に立っておられないほど、赤面させられてしまったという。

しかし、それでも妻の松子は、同時にタマラないほど不安な気持に包まれてしまったので、なおも勇を鼓して通話を伸ばして貰いながら、いろいろと久美子夫人に問い訊してみると案の定……今日まで姫草ユリ子が言い立てて来た事は、一から十までと言っていいくらい、事実無根の事ばかりであった。白鷹先生の平塚往診の事実も、歌舞伎座見物の話も、当日の久美子夫人の三越の玄関での卒倒事件も、または姫草がお見舞いに伺ったという事実までも皆、彼女の驚くべき出鱈目と言う事実が判明したと言うのであった。

私はその話を聞いているうちにグングンと高圧電気にかかって行くような感じがした。臼杵病院のマスコット。看護婦の天才。