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しょうじょじごく

少女地獄

夢野 久作

「少女地獄」黒白書房、1936(昭和11)年3月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 105,174 字 · 206 页

青空文庫

文句は彼女がスッカリ便箋に書いて、弁公を病院の地下室に呼び込んで、何度も何度も練習させたものだそうでまた、白鷹氏の手紙も、彼女が文案をして県庁前の代書人に書かせて投凾したものだと言う事が、彼女の白状によって判明していたと言うが、そんな話を聞けば聞くほど、彼女の虚構の創作能力と、その舞台監督的な能力が、尋常一様のものでなかった。虚構の構成に関する、あらゆる専門的……もしくは病的な知識と趣味とを彼女は持っていた。如何なる悪党、または如何なる芸術家も及ばない天才的な、自由自在な、可憐な、同時に斃れて止まぬ意気組を以て、冷厳、酷烈な現実と闘い抜いて来たか。K大病院、警視庁、神奈川県警察部、臼杵病院を手玉に取って来たか。次から次へと騒動を起させながら音も香もなくトロトロと消え失せて行った腕前の如何に超人的なものであるかを想像させられて、私はいよいよ驚愕、長嘆させられてしまった。

それから今一つ重要な事は、それから後、いろいろと病院の内部を調査しているうちに、小型の注射器とモルヒネの瓶が一個、紛失しているのを発見した事である。しかも彼女……姫草ユリ子がそれを盗んで行く現場を、前に言った山内という山出し看護婦が見たのは、ズット以前の九月の初め頃の事だったそうであるが、その時に姫草が振り返って、