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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

「なんだろう、あれは? やぎか」

とバクスターがいった。

「なるほど、やぎににた動物だな、とにかくつかまえようじゃないか」

「よしッ」

バクスターは例の飛び弾をくるくるとまわして、風をきって群らがる動物のまっただなかへ投げた。動物の群れはぱっとちったが、そのなかの一頭はたおれておきあがり、おきあがってはまた倒れつしている。ふたりは走りよった。

「三ついるよ」

バクスターはさけんだ。じっさいそれは三頭であった。一頭は母で他の二頭は仔である。

「これはヴィクンヤだ」

とゴルドンがいった。

「ヴィクンヤに乳汁があるだろうか」

「あるとも」

「よし、乳汁が飲めるな、ヴィクンヤ万歳!」

ヴィクンヤは形はやぎににて足は少し長く、毛はやぎより短く頭に角がない。ゴルドンはヴィクンヤをひき、バクスターは二つの仔をだいてテントへ帰ると、一同は喜び勇んで万歳をとなえた。生の牛乳にうえきったかれらとしては、さもあるべきことである。

ヴィクンヤの乳汁を夢みてこころよくねむった一同の夢は、ドノバンの声に破られた。夜明けに近い三時ごろである。

「気をつけイ」

「ど、ど、どうした」

一同はあわてて起きてドノバンにきいた。