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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

風あたたかに空は晴れて、洋々たる春の平野を少年連盟はしゅくしゅくとしてねってゆく。とちゅうでドールとコスターはつかれて歩けなくなったので、富士男はゴルドンに相談して、ふたりを車の上に乗せた。一行が沼のほとりをたどってゆくと、とつぜん一個の巨獣が、がさがさと音をたてて、灌木林のなかへ身をひそめた。

「なんだろう」

一同は立ちどまった。

「かばだ」

とゴルドンがいった。

「昼寝をじゃましてすまなかった」

と富士男はいった。

サクラ湾についたのは十時ごろである。河畔の木陰にテントを張ってはるかに浜辺をみわたせば、水波びょうびょうとして天に接し、眼界の及ぶかぎり一片の帆影も見えぬ、遠い波は青螺のごとくおだやかに、近い波はしずかな風におくられて、ところどころに突出した岩礁におどりあがりまいあがり、さらさらとひいてはまたぞろぞろとたわむれている。

その岩礁の上に! 見よ! 幾百とも知れぬ海ひょうが、うららかな春の日に腹をほして、あおむけに寝ころんだり、たがいにだきあってはころげおちたり、追いかけごっこをしてはかみあったり、なにかにおどろいたように首をあげては走って、波にとびこんだりしている。