轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

やまのかみさつじん

山の神殺人

坂口 安吾

「講談倶楽部 第五巻第一〇号」1953(昭和28)年8月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,014 字 · 21 页

青空文庫

「神様のことは警察には分りませんや」

「ひとつ、お加久に会わせていただけませんかな。もしも不二男の性根が直るものなら」

「ハッハッハ。会わせてあげないこともありませんが、それ、そこのベンチに腰かけて合掌してる怪人物をごらんなさい。兵頭清という二十五の若者ですが、お加久の大の信者でしてな。教祖の身を案じてあのベンチに坐りこみです。性根が直ってあんな風になるのも、困りものかも知れませんぜ」

普通に背広をきて、一見若い事務員風の男。それがジイッと合掌している。青白い病的な若者じゃなくて、運動選手のような逞しさ。それがジイッと合掌しているから、かえって妖気がただよっている。平作はつぶさにそれを観察したのち、

「イヤ、あの方が何より無難です。ぜひお加久に会わせていただきたい」

そのあげく、お加久が不二男の性根を叩き直してくれることになり、お加久は兵頭清とともに当分平作の家に泊りこんでお祈りをすることになった。そこで不二男とお加久はその晩同時に釈放となり、これに兵頭清を加えた三名が平作にひきつれられて警察を出た。

ところがそれから三四十分後に、濡れ鼠の平作がただ一人蒼い顔で警察へ駈けこんだ。