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やまのかみさつじん
山の神殺人
「講談倶楽部 第五巻第一〇号」1953(昭和28)年8月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,014 字 · 21 页
十万円で息子を殺さす
――布教師ら三名逮捕――
【青森発】先月二十三日東北本線小湊、西平内間(青森県東津軽郡)線路わきに青森県上北郡天間林村天間館、無職坪得衛さん(四一)の死体が発見され、国警青森県本部と小湊地区署は他殺とみて捜査を進め、去る八日、主犯として青森県東津軽郡小湊町御嶽教教師須藤正雄(二五)を検挙、さらに十八日朝被害者の実父である上北郡天間林村天間館、民生委員、農坪得三郎(六一)と得三郎を須藤に紹介した同、行商坪勇太郎さん妻御嶽教信者しげ(五〇)を逮捕した。……
――(朝日新聞五月十九日夕刊)――
子を捨てたがる父
公安委員の山田平作は夜になるのを待って町の警察へ出頭した。長男不二男がヤミであげられていたからである。
「ご苦労さまです」
署長が気の毒そうに彼を迎えた。不二男が警察の世話になるのは、これで五度目だ。公安委員という肩書の手前、平作は人の何倍も肩身のせまい思いをしなければならない。
平作は道々思い決して来たものだから、署長を見ると亢奮して云った。
「今度ばかりはつくづく考えました。御先祖様の位牌に対しても顔向けができませんから今度という今度は、思いきって勘当、廃嫡いたそうと思いますが」